「デ」は2011年旗揚げし、詩としての演劇、舞台詩の成立を模索する演劇ユニット。 物や、場所に語りかけていくこと、場所の声を聞くことを主題に作品の制作を続けている。主な活動に、『名づけえぬもの』(STスポット横浜)、6時間に及ぶインスタレーション作品『ルーペ/側面的思考法の発見』(Gallery near)、20編の会話を即興でコラージュする『コップの問題』(UrBANGUILD )、『野へ』(金沢・An.studio)
[脚本・演出]
市川タロ
[出演]
菅一馬、玉城大祐、古池峻輔、日種春華、前田愛美
[スタッフ]
舞台監督/浜村修司(GEKKEN staff room)
演出補/徳山文太
装置/安東星郎
照明/吉津果美
音響/山本菜摘
衣装/佐々隆彰
宣伝美術/横山雄
制作/梶川貴弘
6/12日(木) 19:00
6/13日(金) 19:00☆
6/14日(土) 14:00 / 19:00☆
6/15日(日) 14:00 / 19:00
6/16日(月) 14:00
☆…終演後にトークイベントを開催
14日(土)19:00…ゲスト:あごうさとしさん
*受付開始・開場は開演の30分前
前売・当日とも 2,000円
・デ
・http://de-kyoto.jugem.jp/
(団体へのお問い合わせはサイトの「contact」より)
・アトリエ劇研 075-791-1966(平日10:00~18:00)
ディレクターより
観客は山奥にある大学の構内を誘導されて歩いて回る。ところどころで演技というかパフォーマンスが起きるスポットがあって、そこでは詩が詠まれる。『きれいなハアト型』(2012)というその作品は、詩とめぐりあうために旅に連れて行かれる経験だった。
市川さんと同じ年の頃、わたしもまた「詩と舞台芸術(演劇)」ということを考えていた。台詞という物語のためのことばよりも、物語にはなりえないことば(=詩)の方に表現としての可能性を感じていた。20世紀を代表する詩人の一人パウル・ツェランは、別のロシアの詩人のことばから引用して、詩を「いつかどこか、心の岸辺に打ち寄せると信じ、流される投壜通信」と例えた。わたしたちがふだん使うことばは、現在に発せられ過去に流れていくばかりだが、詩は未来に向けて投げられたことばであるという。演劇はどうだろうか、演劇で発せられたことばもまた詩のことばのようにあることはできないのだろうか。そういうことをわたしは考えていた。
市川さんの模索は当時のわたしとは違った切り口だと思われるが、その模索を見ていたいと思う。ことばにこだわりそれを探求する道のりは険しいけれど、きっとそこには他のモノには換えようのない表現があるはずだ。
アトリエ劇研ディレクター 田辺剛