したため

京都を拠点に活動する演出家・和田ながらのユニット。名前の由来は、手紙を「したためる」。人間のいとなみについて、言葉や身体や時間を使って思考する試み。和田は京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。俳優の日常生活からパフォーマンスを立ち上げた#1『巣』(2011年2月)より活動を開始。以降、主な作品に、太田省吾のテキストをコラージュし用いた#2『はだあし』(2011年12月)、作家ジョルジュ・ペレックの記憶にまつわる作業を参照した『肩甲骨と鎖骨』(2015年3月)、日々の記憶を思い返すこと/損なうことをめぐる#3『わたしのある日』(2015年10月)がある。また、同じく京都を拠点に活動する同世代ユニットとの合同企画や、「Dance Fanfare Kyoto vol.01」、KAIKA「gate#11」「gateリターンズ」、「芸創CONNECT vol.7」にて作品を上演。2015年よりアトリエ劇研創造サポートカンパニー。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞(三島由紀夫『葵上』演出による)。

したため
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公演予定

2017年6月22日(木)~6月25日(日)
したため#5『ディクテ』

したため#5『ディクテ』

Dictéeとは、言語の学習法のひとつで、声を聞き取り文字に記すこと。そして、『ディクテ』を手にとったわたしは、いてもたってもいられなくて息も継げず、彼女の声を聴くこと、身体にうつすことに、のぞもうとしている。

言語と言語のあいだでざわめく身体の疾走を提示した前作『文字移植』(原作:多和田葉子)の次にしたためが挑むのは、韓国に生まれ、アメリカに逃れ、複数の言語を生きたテレサ・ハッキョン・チャの残した実験的テクスト、『ディクテ』(1982)。
言語、歴史、性ーーさまざまなモチーフを含みこみ、そこに触れるすべてのものの声を刺激してやまないテクストから、いま、したためが導く演劇とは。

彼女は、発声の重圧のびっしり混みあった動きのなかで、それらが通り抜けようとする只中、自らを名も知れぬものとしてその場にとらわれたままにしておく。

休止はすでにすみやかに始まっていて、静かに休止したままだ。彼女は休止の内部で待つ。彼女の内部で。さあ、今だ。まさにこの瞬間。今こそ。彼女はすばやく空気を吸い込む、いくつもの裂け目のなか、生起する距離に備えて。休止が終る。声はもう一つ別の層を包み込む。待っていたために、今やいっそう濃密になって。言おうとすることの苦痛から、言わないことの苦痛へ、待機。


さあ。


したため#3『わたしのある日』(2015年10月)撮影:前谷開

『肩甲骨と鎖骨』(2015年3月)「村川拓也×和田ながら×punto」にて上演 撮影:前谷開







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