本プロジェクトの集大成として、ついに
おおよそ1年間を通しておこなってきた活動は、これにて終了しますが、誰もが日々のワークとして出来る、まちの編集の一つのモデルとして、今後この活動や発行物が何らかの作用を生み出すことにつながれば幸いです。
最終成果物の冊子づくりも終盤。
本日も編集会議引き続き。前回、手書きで起こした地図やイラスト、テキストなどをどのようにレイアウトしていくか(台割)を考えました。全体のペーパーの仕様もおおよそ決まり、1人あたり8ページ分を担当することに。おおよそ、48ページの冊子を予定しています。しかし実際、8ページともなると、テキストが少なかったり、写真を撮り忘れていたり。記憶をたどって、もう一度収集作業に戻ることも必要になってきます。そのように、形になるまでのプロセスを楽しみつつ、私達が日々使ってきたメモ帳がそのまままとめられたものが出来上がりそうな予感です。
さて、活動も終盤に近づいてきました。随分とゆっくりしたこの活動の中で参加者が感じ取った街の面白さや、街を捉える視点を、「目に見える形」へしていく のが編集の技となるのですが、今回、やはり大切にしたいのは、テーマにしてきた「観察と収集」の集積です。足を使って歩き、見て、感じ、時に食べたり、切 り取った街の風景、残した言葉や、小さなメモ、拾い集めた欠片のようなものを素材に、それらをどんな方法で料理しようかということを考えています。そし て、それらを「生の状態」で伝えることが出来ないかということも。かっこいい写真や、キレの良い文章や、手の込んだデザインではなく、出来るだけ、そこに あったものを、そのままの面白さで伝えられるようなものを目指して、とってもアナログ的に、日々のワークとして誰もができて、真似したくなるようなものに なっていくといいなと思っています。
ブログを少々ご無沙汰していましたが、前回の活動日におこなった街歩きに引き続き、各参加者の好きな場所、
今回の参加者は皆、左京区が生活拠点。それぞれのおすすめの場所が同じになることなく、一乗寺近辺、
一乗寺編では、行きつけのお店を紹介したいということで、多い時には週一で通う、カレー屋をメインに、叡電「茶山」の住宅街の中をうろうろ。偶然に見つけた小さなベーグル屋や、喫茶店に入ったりと、普段の生活の一編を垣間見るような街歩きとなりました。
岡崎編では、岡崎神社に集合後、丸太町通りに点在するあらゆる寺社仏閣を寄り道、美味しいものを探しつつ、雑貨屋にも立ち寄るなど、新しい発見がある、盛り沢山な街歩きとなりました。
吉田山編では、京大が近いことからか、学生が生活する街の雰囲気を観察しつつ、京大内にある植物の観察や、珍しい自然物や鉱物などを扱う古道具屋にも立ち寄り、自然観察的な街歩きをおこないました。
これらの街歩きの特徴は、有名な観光名所を紹介することでもなく、
さて、これらを形にしていく作業がいよいよ次回より始まる予定です。
秋晴れの日曜日。今日の活動は、前回同様、「まちの観察日記」の続き。まずは、宿題でもあった、この2週間の中で綴った参加者の観察日記をぐるぐると回し読みし、その後、今日の「観察と収集」に取り入れたいお題をあげていきました。
例えば、
通ったことのない道を通る/せまい店を探す/チェーン店に行く/何屋かわからない店に行く/眺めのいい場所はどこ?/自分が◯◯さんに薦めたい場所をレポート/行ったことない場所(店)で気になるところに行く
‥‥
など、いくつかのアイディアを出しながら、ワイワイとお喋りをすると、街の風景や好きな(気になる)場所というのは、人が集まれば、それだけの数があるということ。もちろん、自分が知らない場所を訪ねることで何か発見あるだろうし、また、他の人が見る視点を知るということでそこを深めることもできるのではないか。ということで、今回は、お題を集約して、参加者全員で、一人のお薦めルートで、同じ場所に向かうことにしました。
まずは、センターから歩いて、鴨川が見える川端通りに出ます。そこからまっすぐ、出町柳駅に向かい、もうすぐ駅だぞというようなところに、レトロなアパートらしき建物があります。そこにはいくつか不定期で店をオープンしている場所があったり、事務所として活用している様子が見られたりするのですが、今回は、ここの一室を使用して、小さな本屋をやっているらしい、という情報を確かめるように、その薄暗く、人影のないアパートに足を踏み入れました。
そしてもう一つ、こちらも出町柳駅から徒歩約3分ほどの場所になる、カフェのようにお茶や軽食ができ、作品を展示するギャラリーもあり、または、音楽のイベントをやる、もしくは人の家のようでもある、何とも不思議な場所に向かいました。
どちらも、きっと他にない、特殊な空間や、特殊な形態で運営している様子が見られ、気になる点を挙げると、キリがないくらい。その中で、参加者が何を見て、何を切り取るのか。大変興味深い観察日記になりました。これらの日記(記事)は、今後、皆様にお見せできるような形(メディア)で、お披露目するつもりです。そのようなことも頭の隅におきながら、とにかく、まずまだ自分たちの足で確認していく作業が続きそうです。
本日は、前回より参加者が増えたところで、引き続き「まちの観察日記」をつけるべく、街へ繰り出しました。今日は、約1時間といった時間を設け、その時間内に、どこへ行くか、何をするかというのは、自由です。特別な何かを見つけることや、街の調査のためでなく、できるだけ日々の生活の中にある物事を丁寧に見ること、体験を描写してみることを基本としています。なので、気になっていた喫茶店に行く人や、買い物に出かける人、目的なく気が赴くまま公園へ行ってみる人など、何気ない行動の中にも、見るものや感じるものは様々なはず。そういうものが、自由な文体や、手書きの文字やイラストに、何となしに現れてくるのも面白いものです。しばらくはこの手法で、街をウロウロしてみようと思います。
本日はいよいよ、「まちの魅力を伝える」メディア制作のための編集会議です。まずは、自分の興味や関心のあること、左京の知りたいことを話題に、会議というより、おしゃべりを中心にワードをピックアップしていきます。
前回の最後に、「物物交換をしてみたい」という意見があがっていたのもあって、実際に「してみました!」というMさんがまずは、レポートを発表。目標の人数には至りませんでしたが、ポケットティッシュから始めて、ばんそうこうに変化したその経緯やエピソードを発表してくれました。人と人をつなぐ、面白いコミュニケーションの手法として、今後、何らかの形になる予感も。これは、継続してやってみたい企画の一つです。
そして、また話題は別方向へ。参加者のKさんは、美味しくて安い野菜を食べるために、野菜の直売所や、今は少なくなった無人販売所の場所、農家の人から直接購入できる情報を入手したいとのこと。郊外では見たことあるけど、はたしてそれが、このまちなかの左京にもあるのか?
しかし、人が集まれば情報も集まるということで、あそこにロッカー式の卵販売所があるとか、スイカを軒先で販売してたとか、あらゆる噂話や情報もちらほら。謎の屋台や、4時に必ずやってくるキムチ屋など、店舗は持たないが、地元に根付いた形で、商いをしている人たち、売り手と買い手が密接につながった、生活の風景がありそうです。
今回出た話題を基に、地元の人たちを対象にした「食」や「お店」の情報を口コミや噂話を手掛かりに調べてみようと思います。もしかすると、私たちの知らなかった左京の日常にも出会えるかもしれません。果たして、どのような展開になるのかは、今後を楽しみに!
前回、手書きで書き込んだ地図は、それぞれのまち歩きのテーマとそれに対するテキストを付け加えて、A2サイズのペーパーに仕上げることにしました。
元々A1サイズだったものをスキャンし、ここはパソコン上で縮小をしてレイアウト。印刷は身近にある、コピー機を使用することに。A3サイズまでしかコピーできないため、2枚をつないで、仕上げます。今回は、「地図」という形や様式であることがポイントになるので、仕上げの折や製本にも一工夫。いろんな地図を参考に、『開いて閉じる』が簡単で、小さくできる蛇腹の折り方を採用しました。
そこで、この『開いて閉じる』をより極める折り方に「みうら折」という折り方があることを知った私たちは、実際にこの折り方にもチャレンジしてみようということに。「みうら折」とは、ミウラ折りは、1970年に東京大学宇宙航空研究所の三浦公亮が考案した折り方で、人口衛星のパネルの展開方法を研究する過程で生み出された折り方だそうです。今回の参加者の中には、実際にやったことがある!という経験者がいたので、見よう見真似で折ってみることに。山折と谷折を繰り返す蛇腹折を応用しながら、緩い角度のジグザグの折り目をつけていくのですが、結構難しい。目指す形になるまでは、もう少しかかりそうですが、やはりみうら折の方が、手の動きに合わせた、開閉がスムーズです。
このように、今回は、自分たちの手で、切ったり、折ったり、更に表紙を貼ったりしながら、ひとつのペーパーを完成させました。身の回りにあるような、綺麗な印刷で、綺麗な製本の紙媒体ではありませんが、手作りならではの味わいがあるものになったのではないでしょうか。
これらは、左京西部いきいき市民活動センターにて数部、無料で配布いたしますので、ご希望の方はスタッフまでお声かけください。